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子ども虐待防止に取り組む|NPO法人 だいじょうぶ|とちぎのSocialGood
今回は日光市をはじめ栃木県内全域で、子ども虐待防止に取組む「だいじょうぶ」をご紹介します。
副理事長の前田さん
「だいじょうぶ」の副理事長、前田 利一(まえだ・としかず)と申します。
私たちは子ども虐待防止を目的に、相談事業や子どもの居場所づくりなどを行っています。
子どもの声に耳を傾け、寄り添いながら、地域の中で安心した暮らしを送れるよう、日光市と協働で活動を進めています。
活動内容
①子ども虐待の早期発見・防止のための相談
子ども虐待の早期発見や防止のために、日光市とケース情報の共有化や対応の統一化などを進め、相談対応を行っています。
今でこそ多くの方々から情報をいただけるようになりましたが、団体設立当初は相談者も限られていました。
多くの子どもから相談を受けたいという気持ちから、団体紹介用のカードを配ることもあったのですが、設立したばかりのNPOが「相談を始めました」といっても、知名度や信頼度は低く、難しさを感じることもありました。
日光市と連携するようになってからは、市民の方や関係機関からの信頼がより向上し、相談件数も増えて、協働による良い流れができていると感じています。
②子どもの居場所
子どもの居場所は、家でも学校でもなく、居場所と思える「地域にあるもう一つの家」のような存在です。家で安心して過ごせない子どもをお迎えにいき、生活に必要な食事・入浴・洗濯のほか、皆で遊ぶなどして共に過ごした後、家に送り届けます。
家で安心して過ごせない子どもの中には、小中学生だけでなく、高校生もいれば赤ちゃんもいます。高校生を対象とした居場所づくりや、赤ちゃんに必要な支援を行うために保育士さんの力を借りたりと、支援の幅を少しずつ広げています。
③虐待する親向けの回復プログラム
また、子どもを対象とした支援だけでなく、親を対象とした「MY TREE ペアレンツ・プログラム」による支援も行っています。
これは、虐待の根本にある親御さんの心の傷を回復するためのプログラムです。
虐待する親には、子どもの頃や社会で大事にされてこなかった経験があり、何らかのきっかけで心の傷に触れられたときに、怒りが子どもに向いてしまうという傾向があります。
自分を大事にすることで親御さん自身が変わっていき、子どもへの対応も変わるよう、回復プログラムを実施しています。
活動への想い
①前職で「だいじょうぶ」と出会い、裏方から支える存在となった
実は、私は現場で活動したくて「だいじょうぶ」に入った人間ではないんです。
どちらかというと、裏方として団体の情報発信などの法人運営を担当して「だいじょうぶ」の素晴しい活動をみんなに知ってもらい、支援者をもっと増やしたい、という気持ちからでした。
元々は日光市民活動支援センターの職員をやっていて、「だいじょうぶ」とは、会計の相談に乗ったり、運営会議のファシリテーター等を頼まれたりと、関わりをもっていました。
支援センターを辞める間際に関わっていたプロジェクトでは、信頼できるNPOを社会に見える化して活動への共感による支援をつなぐ、情報と支援の循環を目的とした公益ポータルサイトづくりに携わりました。
そういった情報発信面で応援したいという気持ちで活動をしていたのですが、東日本大震災を機に気持ちが落ち込んでしまい、職場を離れることにしました。その後、徐々に気持ちが回復した時に気づいたのですが、NPOの活動を応援したいという気持ちは変わっていなかったんです。
その気持ちを「だいじょうぶ」に伝え、一緒に活動させてほしいとお願いするかたちで現在の活動がスタートしました。
②子どもたちには色々な大人像を持ってほしい
小さい団体なので、裏方業務だけではなく、現場で子どもと関わる機会も当然あるのですが、入った当初はどこか照れくさく、子どもがそんなに好きじゃないと嘯く(うそぶく)こともありました。
ですが、目の前で触れ合うと何とかしたいなって思うんです。正確には、子どもたちが自分で何とかなっていくのを信じて、伴奏者として寄り添っていたいという感じです。
MY TREE ペアレンツ・プログラムとも似たような部分があるのですが、人に大事にされる、尊重されることは大切なことなんですよね。
「子どもの心の傷を大きくしない」「心の傷を埋めてあげたい」「その子が大人になったときに虐待や不適切な関わりをしてほしくない」そういう想いで接しています。
家や学校で関わる大人以外にも、「子どもの居場所で関わった大人ってこういう人だったな」、「これまで知っている大人とは違う大人もいるんだな」と、色々な大人像を子どもが持ってくれたら嬉しいです。
今後の展望
すべての子どもが、「生まれてきてよかった!」と実感できる社会にしていきたいです。
そのために、諸事情で家族と離れて育つ子どもに、家庭的な養育環境を提供できるよう、里親の発掘・研修に努めていきます。
それと、家で安心して過ごせない高校生が、一定の支えのもとで共同生活を送る下宿のような支援を立ち上げたいと考えています。
ほったらかしにされている環境によって、子どもが塞ぎこんでしまうこともあります。
不登校や引きこもりの原因にもなり得るので、子どもが家で話したいときに話を聞いてもらえたり、ちょっと背中を押してくれたり、そういった環境が必要だなと感じています。
とちぎのしゅし「栃木で挑戦しようとしている人に一言、お願いします!」
子どもや親、支援が行き届いていない方々が、今までよりも自分らしく生きることができるよう、ほんの少しずつでも優しい栃木にしていきましょう!
参加・寄付の情報
・子どもの貧困撃退♡チャリティサンタdeラン&クリーン
毎年12月頃に「Be Santa!(サンタになろう)」を合言葉に寄付キャンペーンを実施しています。12/18宇都宮のオリオンスクエアにて。
・里親になりませんか!
子どもたちが家庭的な環境の中で、大人や社会を信頼できるような環境を整えています。
気になる方は、hope@npo-daijobu.com 宛に、お問合せください。
団体の基本情報
団体名 |
だいじょうぶ |
活動ジャンル・テーマ |
子ども虐待防止 |
活動エリア |
日光市、栃木県内 |
NPO設立年 |
2005年 |
スタッフの数 |
22名(うち常勤7名) |
住所 |
栃木県日光市今市1659-10 子どもと親の相談室内 |
メールアドレス |
hope@npo-daijobu.com |
団体HP |
|
団体SNS |
編集部コメント
「だいじょうぶ」では相談対応や子どもの居場所をはじめ、幅広い支援をされています。
それだけ悩みや課題も多く、家庭環境や子どもの様子によって多様な支援が必要であることを感じました。
また、応援したい気持ちから情報発信に関わっていたことについても共感しました。現場での活動以外にも色々な関わり方や支え方があることを改めて実感しました。これからも活動を応援したいと思います。
多くの人にこの記事が読まれますように!
そして、地域で良い活動がもっと増えることを願います。
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この記事を書いた人
藤本尚彦
リサーチ・ライティング担当
県南エリア在住
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