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人と人をつなぎ挑戦する人を支援する|矢板ふるさと支援センターTAKIBI|とちぎのSocialGood

今回は矢板市で、地域コミュニティ醸成、移住相談・案内、イベント企画を行う「矢板ふるさと支援センターTAKIBI」をご紹介します。

目次
センター長の手塚さん
「矢板ふるさと支援センターTAKIBI」のセンター長、手塚 将之(てつか・まさゆき)と申します。

大学進学時に地元の矢板市を離れ、都内の大学へ進学しました。30歳までに地元に戻りたいという想いが僕のなかであったので、スキルや力を身につけるために、都内のベンチャー企業に勤めたり、イベントの企画や事業の立ち上げ支援を行ったりしてきました。
その後、目標としていた30歳の時に地元に戻り、現在は矢板市の地域おこし協力隊としてTAKIBIの運営をしています。TAKIBIでは起業家の人たちが交流し、高校生たちが勉強に訪れる他、イベントが企画・開催され、新しい団体が設立されるなど様々な動きがあります。
人と人が出会い、新しいことにチャレンジする瞬間に立ち会えることが、僕にとってやりがいとなっています。それでは、TAKIBIの機能や活動についてお伝えします。
活動内容
TAKIBIの機能
TAKIBIにはシェアオフィスとシェアキッチンの機能があり、新たな挑戦を応援するための環境が整っています。日中はリモートワークのために訪れる人たちもいれば、まちなかの事業者さんがふらっと来て利用することもあります。また、夜になると勉強する学生の姿もよく見かけます。

TAKIBIには市内に顔が広い集落支援員が2人常駐しているので、人と人をつなげたり、子育てなどの情報もすぐに提供可能です。僕以外の矢板市の地域おこし協力隊もTAKIBIを拠点に活動しており、そのうちの1人が学生に勉強を教え始めたことをきっかけに、学生が集まるようになりました。
特に受験シーズンは学生の利用者が多く、月間で500人ほど訪れ、入りきれずに帰ってもらうこともありました。キャパオーバーになりつつあるので、8月1日に倍以上の広さの場所へ移転し、リニューアルオープンします。
初代センター長が場所作りとまちの人材を集めてくれていたので、2代目となる僕が関わるようになってからは、「来てくれる人たちと何か一緒にできないか」を考え、イベントをプロデュース(企画・運営)しています。
イベントのプロデュース(企画・運営)
人と人をつなぐことが私たちのミッションの1つにあるのですが、つながっていくなかで「一緒に何かやってみよう!」というきっかけが訪れることがあります。
イベントの実施経験がない人も多いので、内容の決め方やスケジュール感、必要な備品の用意など、誰でも挑戦できるようにイベントのプロデュース・サポートをしています。これまで実施したイベントから新たな団体が生まれたこともありました。
子どもの外遊びをサポートする「AKICHI」、若手事業者のイベント集団「ヤイタロック」、こども食堂を行う団体など、様々な団体がTAKIBIを通して生まれ、活動を続けています。
他にも、学生団体Yaita All Directions(YAD)とアイディアを100個出したなかから、気球を飛ばす案を採用して2021年に実施しました。高校生が主体となって企画したイベントには800人以上のお客さんが訪れるなど、様々な取組みが動き始めています。

活動への想い
田舎がいいなと考えて30歳までに戻ることを決めていた
大学進学後、東京に住んでみて便利さを感じた一方で、印象的だったのが生気のない目をした大人でした。電車内の様子やアルバイト先の居酒屋で愚痴をこぼすお客さんの姿を見て、「そのなかに僕も入るのか・・・」と、何とも言えない気持ちになりました。
それは田舎でも見かける光景だけれども、東京は家賃が高いし、当時からそんなにお金持ちになりたいと思っていなかったので、「こんなに稼いでどうするんだろう、好きな場所で好きなことをすればいいのに」と当時から漠然と考え、田舎がいいなと思っていました。
30歳までに地元に帰ることを決めたのは20歳の時で、A4の紙に目標を書き出し20代の行動プランを作りました。そのプランを実現するために色々な企業に勤めたり、起業をしたりなど行動してきました。
29歳のときに目標を達成した後、地域おこし協力隊の募集のタイミング、自営業をしていた両親から家業を引き継ぐタイミングなど、様々なことが重なり地元に戻ってきました。
挑戦する人が増えることで地域が活気づく
大学時代も含めていまだに日本中を回っているんですけれども、地域がよくなるためには「どうしたらいいのか」をすごく考えています。
その土地で暮らしている人たちが面白いことをしてもいいし、よその土地で暮らしているひとたちがその土地で面白いことをしてもいいし、コラボして何かするのもいい。その考え方がしっくりきていて、「いかにこの土地を遊ぶ場所として使えるのか」が僕のなかで強かったりします。
イベントを含め、ひとりでも何か面白いことをする人が増えれば、それに影響を受ける人も増えるので、チャレンジ人口を増やすことが日本中で活気づく人が増えることに繋がるんだと思います。

面白そう、お金が稼げそうとかどっちでもいいと思うんです。挑戦する人が増えることによって、子どもたちがどの地域で育っても、このまちで生まれてよかったな、この人と出会えてよかったなと思うきっかけが生まれると思います。
学校だけの価値観におさまらず、世の中にはすごい人、面白い人はいっぱいいるし、地元にもすごい人がいっぱいいることに気づくことは、先の将来にまで繋がることだと思うので、僕自身の活動として今後も続けていきます。
今後の展望
空き家には様々な問題があるけれど、そのひとつに建物を活用できていない問題があります。60歳以上の人が東京から矢板に来て、「新築を建てようと思っている」という話を聞いたときに、空き家を活用できたらいいのにと思いました。
そこで、空き家の賃貸、リフォームを提供する不動産会社を立ち上げようと準備しています。そのためには空き家を1軒くらい持っていないと何も分からないと思い、古民家を購入しました。
室内の畳みはボロボロで、まだ何もできてないけれど、リノベーションをして地域活動の拠点や移住してきた人に提供できないかと考えています。建物を提供して関係性が終わるのではなく、住んだ後の暮らしのサポートや体験の提供などができないかと模索中です。
それと、僕のなかで1番楽しんでほしい人に子育て世代の人たちがいます。僕は30代前半でお酒を飲むのが好きなのですが、同年代の人たちには子どもがいて飲みに行けないとか、楽しめていないような感覚があるので、子育てをしながら親子で行ける場所やイベントを作りたいと考えています。

「栃木で挑戦しようとしている人に一言、お願いします!」
<移住を検討されている方へ>
自分は地域を選ぶポイントは「人」だと思っています。ぜひ栃木のいろんな人と触れ合って話してみてください!
<住んでいて挑戦されている方へ>
自分の子どもに「この環境に生まれて育ってよかった!」って思われるためにはいまが重要だと思っています。市区町村の区切りに関係なく、みんなで面白いことをしましょう!
参加・寄付の情報
イベントの情報などはSNSで発信しているので、フォローしてご参加ください。
どろんこバレーや古民家改修ワークショップ、高校生イベント、ハロウィン、気球を飛ばすアウトドアフェスなど様々なイベントをやっております。

団体の基本情報

団体名 |
矢板ふるさと支援センター TAKIBI |
活動ジャンル・テーマ |
地域コミュニティ醸成、移住相談・案内、イベント企画 |
活動エリア |
矢板市 |
設立年 |
2018年 |
スタッフの数 |
4名 |
住所 |
矢板市末広町19-4 ココマチ1階 |
メールアドレス |
takibi.yaita@gmail.com |
団体HP |
|
団体SNS |
編集部コメント
人と人をつないでくれて、やりたいことを形にしてくれる場所があることは、その地域で新しいことを始めようとする人たちにとって、とても心強い存在だと思います。
面白いことが増え、面白いことをしている人たちと出会える機会が増えることで、「この地域だからできない」から「この地域でもできる」に意識が変わる人たちもいるのかなと思いました。今後の活動も応援したいと思います!
多くの人にこの記事が読まれますように!
そして、地域で良い活動がもっと増えることを願います。

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この記事を書いた人
藤本尚彦
リサーチ・ライティング担当
県南エリア在住
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