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書きたいことは、書きはじめないとわからない|書いていこうよ、プロじゃなくても|#8

こんにちは、ライター・編集者として活動している山越栞です。
この連載は、書くことを通じて、より多くの人が自己実現に近づくことを願い、「プロじゃなくても書いていこうよ」「なにもしないより書いたほうがきっといいよ」と伝えていくものです。
たとえば今いる環境に閉塞感を抱いている人、やりたいことはあってもどう吐き出すべきか模索中な人に読んでもらえたら嬉しいです。
第8回のこの記事では、書くモチベーションがいまひとつ上がらない人に向けて、私なりの大発見(!)をお伝えします。
ピカソの名言にまさかの救われたはなし
何かを書かなくてはいけない状況にある人や、書きたい気持ちがあっても書けていない人にとって、頭の中での「書かなきゃ」だけが先行し、行動に移すのを後回しにしてしまうシーンは少なくないはずです。
私自身もそんな状況によく直面してしまうからこそ、とあるフレーズを知って納得し、勝手につよく励まされたことがありました。
それは、かの有名画家、パブロ・ピカソの言葉です。
「描きたいことは、描きはじめないとわからない」
アイデアが浮かんだとしても、形になる以前のイメージをそのまま絵にできることはほとんどなく、実際に作業に取り掛かることによって、描きたいものがまるで筆を置いた場所から湧き上がってくるような感覚になる。だから、自分が描こうとするものを知るには、まず描きはじめなければならない。
そんな意味合いで話された言葉だそうです。
これって「描く」じゃなく「書く」でも同じことが言えるなぁと思い、初めて知ったときにすごく救われた気持ちになったのでした。
「書かなきゃ。でも…」ではなくて「とりあえずなにか書きはじめてみよう」と机に向かう(もしくはPCを開く)ことから、全てがはじまるのかもしれません。
でも、「書きはじめた」ってどの瞬間のこと?
ここで問題なのが、いつどの段階から「書きはじめた」ことにするか、です。
紙に向かって「あいうえお」と書いてみたらスタート…?なんて考えたらキリがないですよね。もちろんそれでも何も書き出していないよりは大きな一歩ですが、ここはもう一声。
例えばWordやドキュメント、note、メモ機能などで新規作成画面を開いて、見出しやリード部分を仮で書き出してみる。
そこまでいかなくても、箇条書きでもよいので思いついた文言を並べてみる。
そんな風に、今あなたが「書かなきゃ」「書きたい」と思っていることに直接つながるような行動をスタート地点としてみるのがおすすめです。
不思議なことに、そうしてひとまずスタート地点に立ってみた瞬間に「じゃあちょっとだけ歩きだしてみようかな」と気が進んで、「なんだか調子づいてきたから半分くらいまで進めてみようかな」となり、しまいには「せっかくここまで来たんだから、どうせならゴールまで行っちゃおう」となったりもするんです。
もちろん一気にゴールまで進まずとも、ゼロの状態に比べたら、書き始めて中断したときのほうが、着手するハードルが圧倒的に下がります。
私自身もこの「とりあえず書いてみる」を実行するようになってからというもの、頭の中の言葉を実際に書いてみたら想像以上にクサいフレーズで驚いたり、なんだか説明不足だなと思って別の言葉を探すための新たなシンキングタイムに突入したり、もっとちゃんと調べる必要性に気がついたりするようになりました。
「こんなに時間がかかるとは…もっとはやく書きはじめればよかったな」と思うこともあれば、「なんだ、はじめてみたら案外すぐに全部書けちゃった」なんてことも。
何事も、はじめるときがいちばんエネルギーを使う
思えば、これらは「描く」や「書く」に限ったことではないですよね。
ランニングを始めたいならひとまず着替えて外に出ることが大事だし、掃除をしなきゃいけないときは雑巾を絞ってみると急にスイッチが入ったりするし。
何事も、はじめるときがいちばんエネルギーを要するのかもしれません。
それに、「はじめてみないとわからない」という事実に気づけた人から、「はじめる」ことに対するハードルが下がっていくような気がします。
実はこの記事も「書きたいことは、書きはじめないとわからない」ととりあえず書いてみるところからスタートしたら、だんだんとお伝えしたいことがクリアになってきて、ここまで書き終えることができちゃったりしています。
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この記事を書いた人
山越 栞
企画・編集・ライティング
日光エリア・東京在住
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