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この文章、誰に届けるために書くんだろう?|書いていこうよ、プロじゃなくても|#2
こんにちは、ライター・編集者として活動している山越栞です。
この連載は、書くことを通じて、より多くの人が自己実現に近づくことを願い、「プロじゃなくても書いていこうよ」「なにもしないより書いたほうがきっといいよ」と伝えていくものです。
たとえば今いる環境に閉塞感を抱いている人、やりたいことはあってもどう吐き出すべきか模索中な人に読んでもらえたら嬉しいです。
第2回の記事では、筆が進まない人、書いても届いている実感を得られない人に向けた「書く目的」について綴らせてください。
書くことを決めたあなたへ
第一回の記事では、書くことのハードルを下げることと、書いて言葉にすることの大切さについてお伝えさせてもらいました。
「文章を書きたい!」と思っている人はのびのびと自由に書いたらいいのだけど、「どうしても書かなきゃいけない…書いたほうがいいのは分かっているのだけど…」という状況の人にこそ読んでほしいと思ったからです。
たとえば自社の情報発信だったり、個人的な決意表明だったり、どうしても言葉にしたい、したほうが良い結果につながるはずだ、でも……という立場の人です。
それでも、書くことを決めたあなたへ。
いざPCのキーボードに手をのせたり、ペンを手にとってノートに向かったりしてみても、一体何から書いたらいいんだろう?
言葉がもつれて、書き出し方すらわからないし、伝えたい内容だけが頭の中でぐるぐるぐる。
なんてこともあるかもしれません。
また、想いがいっぱい詰まった長い長い文章を書いてみたけれど、いまひとつ反応を感じることができなくて、「やっぱり書いたって…」と思ってしまう。
なんてこともあるかもしれません。
そういう時って何が起きているんでしょう?
どうして「書こう!」と思ったんだっけ
そもそも、重い腰を上げて文章を書いてみようと筆を執ったあなたは、なぜ、書いてみようと思ったのでしょうか?
たとえば、自分たちが大事にしていることを知ってもらいたかったからでしょうか?
だとしたら、なぜ、知ってもらいたかったのでしょう?
仲間を増やしたいから
それってどんな仲間?どうして仲間がほしいんだろう。
お客さんになってほしいから
どんなお客さんになってほしいんだろう。売りたいものと、おすすめしたい理由は?
自己実現のため
これを読んでもらえた人に、どう感じてほしい?少し先の理想像は?どうしたら自己実現できたって思える?
などなど「なぜ書こうと思ったのか」を掘り下げていくと、あなたがこれから書く文章が「なんのために」あるのかが見えてきます。
「なんのための文章か」が見えれば、「これを読んだ人にどんな言葉を届けたいか」も見えてくるし、「じゃあ、そのためには何を書けばいいか」も少しだけ見えてくるはずです。
考えてみれば当たり前のことだけど、原点を掘り下げるって意外とないがしろにしてしまいがちです。
そそのかされたつもりで、どうかもう一度「どうして書こうと思ったんだっけ?」「なんのために書くんだっけ?」と自分に質問してみてください。
書くための「目的」というコンパスを装備して、いざ、真っ白な紙に挑んでいきましょう。
届けたい「特定のひとり」へ書いてみる
「なんのために」が見えてきたあなたへ、意味のある文章にするために、もうひとつのコンパスがあります。
それは、「誰に宛てて書くのか」です。
文章を書くときにこわくなってしまったり、不安になってしまったりするのは、書く相手が想像しきれていないからかもしれません。
そこに誰がいるのかわからない真っ暗闇に向かって話しかけるのと同じです。
でも、大変ラッキーなことに、私たちは何かを生み出すとき、誰に受け取って欲しいのかを自分で自由に決めることができます。
そして「誰に書くのか」が決まれば、モヤのかかった空が突然晴れ渡るかのように、迷子の道中に案内板が突如として出現したかのように、書きながらの判断がしやすくなるのです。
つまり、あなたが書く想いのこもった文章は、特定の誰かに向けたお手紙のようなものであればいいんです。
これは私の話になってしまいますが、新人の頃、尊敬する編集者の方に言われてハッとした言葉があります。
「ある特定のひとりに向けた文章は、その人と同じ境遇の複数人にもきっと同じ強さで届く」
それ以来、誰にでも平に届きそうな文章よりも、誰かに必ず刺さるような文章を目指すようになりました。
これが、とてもよかったのです。
例えば、SNSでしか繋がりがなくなってしまった古い友人、いつか一緒に活動してみたいと思っている憧れのあの人、お父さん、妹さん
これくらい「特定のひとり」を思い浮かべ、彼らの感情を動かすような文章を考えてみましょう。
彼らは、何が知りたいと思いますか?
どんな言葉だったら、最後まで読んでくれると思いますか?
届けたい相手が見えてくると、書いているあなたもきっともっと楽しくなるはずです。
幸か不幸か、文章には明確な正解がありません。
それなのに、文法の正しさや誤字脱字の有無以外に、「いい文章」ってどうやって判断すればいいいのでしょう?
そんなときの判断基準が、「誰に向けて書いているのか」になるのです。
幼い子どもに向けているのに難しい漢字ばかりだったらきっと不正解だし、不安を抱えている人に向けているのに、キツい言葉を選んでいたらこれもきっと不正解です。
難しく考えずに、まずは思い出してみてください。
あなたが「書かなくちゃ」と思った理由はなんですか?
届けたい相手は、どんな人ですか?
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この記事を書いた人
山越 栞
企画・編集・ライティング
日光エリア・東京在住
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