- とちぎのしゅし
- 古河大輔(とちぎユースサポーターズネットワーク 理事・事務局長)|tochigi gene
古河大輔(とちぎユースサポーターズネットワーク 理事・事務局長)|tochigi gene
ボリビアではどのような活動を?
当初、コミュニティ開発という役割で現地に行ったのですが、一緒に働くはずのカウンターパート(現地の協働パートナー)が一週間で辞めてしまったんです。そこで、まずは地域の現状を知ろうと必死に地域を歩きました。試行錯誤の末「植林などの環境保全」をメイン事業に据え、様々な提案をしていきました。
植林
私が住んだ地域は、標高(2500m前後)が高く、元から植生が乏しいうえに、薪の使用や羊の放牧などで自然資源が少ない状況でした。木が無いので雨がふると水害がおきたり、生活に必要な薪をさがしに1時間以上歩くなどの現状がありました。
そこで、周りのNGOの方たちに相談しながら集落の方たちと一緒に「木を植えるプロジェクト」や「森林資源の活かし方」などの勉強会などを実施。羊を飼っている方も多かったので「植えた木を羊に食べさせないでね。」とソーシャルコントロールもしました。笑。
ゴミの問題
合わせて「ゴミに関するルール」にも着手しました。それまでは、ゴミを集めるだけで、燃やさず放置する。結果として、ゴミが風で飛んで行ってしまい衛生上も良くない。そこで「ゴミの法律」を作ったり。ゴミの「回収システム」などをつくりました。
地域になじんてくると、日本の金で「あれやってくれ、これやってくれ」と言われましたが、「絶対に使わない!」と思いましたね。笑。まわりの皆に協力してもらって資料を作り、村の予算会議にも出席させてもらい行政にアプローチしていきました。幸い村長が協力してくれたので色々スムーズに進みました。
→途上国に行くと、日本の常識が常識でない事を知らされますよね。
ボリビアで何を得ましたか?
考えるだけでなく、実践させてもらえた事が大きかったです。本で読んだり、テレビで見ていた様な問題が目の前にある。困っている現場で生活を共にしながら活動できたのは、かけがえのない経験です。
その場に立ち会え、目の前の問題に対して、日本の仕事でつけた力を現場で活かせたり、がむしゃらにトライした経験も、今の活動の原点であり力になっています。住民と一緒にトライすること、そこで大切となる様々なことを、ボリビアのひとたちから教えてもらいました。
→「ボケーと過ごさず」、「すぐに帰国せず」主体的に動かれたのは凄い!
みんなウェルカムで、すごく良くしてくれたのが大きくて、自然と「何か力になりたい」と思えました。
「若者の働き口」という新たな課題の発見
当時の私は26歳くらい、徐々に村の同年代の若者とも仲良くなりました。ある時に「いいなぁ日本は働くところがあって」と言われたんです。若者の働き口が無いという課題に気付いた瞬間でした。
意識してみると、若い人が街ででフラフラしている。ボリビアは経済発展も進み、進学率もあがって大学を出る人も増えている、一方で社会状況の変化で仕事がすぐになくなる環境でもあったんです。私の友達も、一定期間アルゼンチンに出稼ぎにいっていたり、継続的な仕事があまり無いようでした。
ボリビアの行政システムは、政権が変わるとチームも解散し再構築する。メンバーも3分の2近くは入れ替わります。日本の公務員は永久就職の様な制度なので大きく違いますよね。
腐敗や停滞を生まないメリットもあれば、継続的に事業を推進できないデメリットもありました。また行政だけではなく企業でも安定的な雇用がい印象です。その時に、継続的に「若者の力」を活かす環境を作ってあげる事がとても大切だと感じました。
悔しさ
ただ、若者の働き口の課題には何もできませんでした。すごく悔しかったのを覚えています。その他にも「これをやってくれ」と言われ、何もアイディアを出せずに失敗したプロジェクトもたくさんありました。
その時に得た失敗や悔しさは、「あの時に解決できなかった事を、今は解決できるようになりたい」という想いとなり、活動の言動力になっています。
→そこで「悔しい」と思える所が古河さんの能力なんでしょうね。
\SNSで記事をシェア/
この記事を書いた人
石川智章
「栃木のしゅし」総合統括
県南エリア出身
関連記事
Related
この記事を読まれている方には
こちらもおすすめ!