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那須烏山市で地域の中と外の人をつなぐ|NPO法人クロスアクション|とちぎのSocialGood

今回は那須烏山市全域で、まちづくりの推進をおこなう「NPO法人 クロスアクション」をご紹介します。

職員の髙橋さん
「クロスアクション」の代表理事、髙橋 誠一(たかはし・せいいち)と申します!

20代で東京からUターン後、実家の床屋を継ぎました。その後、那須烏山市の伝統的な地域行事「山あげ祭り」に関わり、地元を見つめなおす機会を得てからは、地域で様々な活動をしてきました。
企画やイベントに参加している方の笑顔を見ることが、活動のやりがいとなっています!
さて、今回紹介する「クロスアクション」は、那須烏山市に訪れる人、交流する人を増やすために活動しています。「交流の場」を作ることが私たちの地域における役割であると認識し、これまで色々な形で提供してきました。
それでは、具体的な活動内容について説明していきたいと思います!
活動内容
①地域コミュニティの活動支援
地域で暮らす人たちの中には「地域のために活動したい!」という想いを抱いている方々がいます。ところが、「やり方が分からない」「動き方が分からない」といった理由から活動に至らないことがあります。
私たちはそういった方々の想いが実現されるよう、これまでの地域活動から得た経験や知識をもとにアドバイスをしています。
また、「地域で活動する方々」と「行政」の関係構築が円滑に進むように支援しています。
「クロスアクション」は行政と連携して事業を進めることも多く、普段からまめに交流している職員の方もいます。
行政と上手く関わることができれば、地域で活動しやすい環境が整います。
そんな、橋渡しとなるような活動支援を行っています。
②学生(大学生・高校生)と地域活性プロジェクト演習
宇都宮で地域デザインを学ぶ学生たちと地域活性化に取り組み続けています。
行政を介して学生を毎年受け入れ、2021年に4年目を迎えました。
演習を行う学生は、那須烏山市でフィールドワークを実施する他、中心市街地の活性化や公園の利活用など、様々なテーマについて1年掛けて取り組みます。
昨年度(2020年)は、那須烏山市にある公共の場「山あげ会館」と「清水川せせらぎ公園」を一体的に利活用するプロジェクト演習を実施。スケールの大きさに驚愕することもありましたが、更なる価値を発揮する場所となるように学生と取り組みました。

③イベントやワークショップ、交流企画の実施、コミュニティの場の形成
コロナ禍前は「山あげ会館」で2ヵ月ごとに「朝市」を開催していました。
これは、農業の生産者と消費者がつながる場を目指し、「顔つなぎの場として朝市をやろう!」と始まった企画です。
朝市を始めたばかりの頃は、思うように人が集まらないこともありました。それでも、継続することで少しずつ認知されるようになりました。真冬の2月…寒い時期にも関わらず、朝7時の開始と同時にお客さんが来てくれたり、野菜を定期購入するお客さんが現れるなど、嬉しい反響がありました。

その他にも、JR烏山駅前でコミュニティスペース「ぷらっと」を運営しています。
コロナ禍により企画や運営がしづらい状況のため、ここ1年は「クロスアクション」の打合せや研究の場として活用してきました。まだ試験運用の段階ではありますが、ゆくゆくは、「まちづくりの拠点」となるように進めていきたいと思います。
活動への想い
①活動に取り組むきっかけ
那須烏山市では、毎年のように地域の伝統的な行事「山あげ祭り」が開催され、開催期間中は多くの人で賑わいます。一方で、Uターンして間もない頃から、お祭りの期間以外は中心市街地も閑散としてしまっているなと感じていました。
「実家の床屋を継いだものの、この地域で商売を続けていけるだろうか」と、危機感を抱く中、「山あげ祭り」をユネスコ無形文化遺産にしようとする動きが市内で起こりました。
私も那須烏山市を盛り上げようとSNSで情報発信したところ、シェアやコメントによって小さなつながりが生まれ、その後SNSでつながった方々と実際に会う場を作ることに。これが「交流の場」を形成する活動の一歩目でした。
②地域課題の解決方法を模索
「交流の場」を形成していく中で多くの出会いがあり、ネットワークが広がっていきました。そんなある日、市役所と連携して「那須烏山市の観光に取り組んでみませんか」と、お誘いを受けることになります。
少子高齢化や若者が地元から離れていってしまう地域課題に対して、地域経済の活性化が解決手段の一つとなること。そして地域経済の活性化には「観光」がキーワードになると当時の私は考え、観光を振興する目的で「クロスアクション」を立ち上げ活動を開始しました。

ところが、「農泊活性化」のためにまちづくりのコーディネーターとして2年間携わり、考えに変化がありました。「那須烏山市に訪れる人は観光を求めているのではなく、体験を求めているのではないか」ということに気づいたんです。
体験には必ず「人と人の交流」があります。地域で暮らす人との出会いこそが「地域の魅力」だと考え、活動の原点である「交流の場」を強く意識するようになりました。
③地域の中と外をつなぐ存在へ
那須烏山市に訪れた人と、地域で暮らす人をつなぐためにはどうしたらいいのか。
まずは、地域の人たちのコミュニティを作り、魅力ある人と出会い、時には魅力を高められるように支援していく。そして、地域内外に魅力ある人がいることを伝え、那須烏山市に訪れた人とつないでいくことだと思います。

朝市を始めたのも、消費者と生産者が実際に出会う機会を作り、両者をつなぎたい想いからでした。今後も「まちで頑張っている人たち」のネットワークをつくり、「その人に会いに那須烏山市に訪れたい!」と思ってもらえるよう、活動を続けていきたいと思います。
コロナによる影響と活動
感染拡大防止の点から、ワークショップ企画やイベント的な企画が開催できずにいます。
「山あげ会館」での朝市についても、今は休止しています。
人を集めるということができないのは、我々のようなコミュニティの場の形成を中心に活動している団体では致命傷ですね。
私たちの拠点での活動については、換気扇の設置、窓に網戸の設置、エアコン入れ替え、空気清浄機の導入等の対策をしています。
企画については屋外企画も視野に入れて準備しています。
今後の展望
今後、地域内の住民だけの力ではコミュニティの維持が難しい時代がくると思います。そうなった時に、地域の中と外をつなぎ、新たなコミュニティを作ることが増々必要になります。
また、私たち「クロスアクション」だけが「交流の場」を作るのではなく、市民の方から地域で活動するプレイヤーが増えてくれることを望んでます。私の立場としては、プレイヤーを育てていくことに注力していきたいと考えています。
「まちで色々やりたいけど、どうしたらいいか分からない」といった人たちを育み、そこから新たなつながりが生まれていく。そのような体制を作るために、次世代を担う若い人たちに、交流の場とチャレンジできる場を提供していきたいと思います。

「栃木で挑戦しようとしている人に一言、お願いします!」
私から見る栃木の魅力は、なんといっても「人柄のよさ」だと思います。
そんな魅力ある人と人とをつなげることができれば地域の魅力が上がっていきます。
栃木でたくさんの人関わってみませんか?
団体の基本情報

団体名 | NPO法人 クロスアクション |
活動ジャンル・テーマ | まちづくりの推進 |
活動エリア | 那須烏山市全域 |
NPO設立年 | 2017年 |
スタッフの数 | 6名 |
住所 | 那須烏山市金井2-23-15 |
メールアドレス | crossaction.npo@gmail.com |
団体SNS | http://www.facebook.com/cross.action.nasukarasuyama |
編集部コメント
観光資源が乏しい地域でも、魅力的な人は必ずいますよね。
そんな魅力ある人との出会いは、日常が豊かになるきっかけになると思います。
お話しの中であった「この人に会いに行きたい!」と思ってもらえるような「交流の場」をつくること、すごく素敵だと思いました。情報発信という切り口から「地域で暮らす人の魅力」を伝えることもできると思いますので、協力させていただけたらと思います。
これからも地域で暮らす人との出会いから「地域に関わるきっかけ」が生まれていくと思います。「交流の場」を通して、今後も那須烏山市で暮らす人の魅力が広まり、訪れた人の日常が豊かになることを願います。
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この記事を書いた人
藤本尚彦
リサーチ・ライティング担当
県南エリア在住
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