- とちぎのしゅし
- オーガニック野菜が繋げる地域と人の循環の輪|NPO法人ポン・テ|とちぎのSocialGood
オーガニック野菜が繋げる地域と人の循環の輪|NPO法人ポン・テ|とちぎのSocialGood
今回は栃木県さくら市喜連川(フィオーレ地区)を中心に、地域コミュニティの活性化・循環する社会を目指す「NPO法人ポン・テ 」さんをご紹介します!
代表理事の大河原さん
「ポン・テ」の代表理事、大河原 千晶(おおかわら・ちあき)と申します!
主な活動として、オーガニック野菜を取り扱う八百屋「まんまとちぎ」を運営しています。
オーガニック野菜は力強くて、栄養価が高いんですよ~!
それと、「まんまとちぎ」の役割は野菜の販売だけではありません。フィオーレ地区で暮らす人たちの交流の場にもなっていますよ。
少しずつ紹介していきますね!
フィオーレ地区とまんまとちぎ
フィオーレ地区は1992年にJR東日本が中心となって開発した新興住宅地です。
自然豊かな街並みが広がり、各家庭で温泉を楽しむことができます。
住人の大半は田舎暮らしを求めて都会から移住した方々なので、地域とのつながりが無く、一からコミュニティを作らければなりません。
人口の半分以上が65歳以上の超高齢地域で、2050年の日本の縮図とも言われています。
運転免許を持っていない人が多いので、ちょっと買い物にいくのも大変なんですよね。
せっかく楽しみをもって移住したのに戻らなければならない人もいたりして…。
そういった地域の課題に取り組みたくて、歩いて通えるお店「まんまとちぎ」を2018年にオープンしました。また、2020年の6月にリニューアルオープンしたことで場所が広くなりなりました。
是非、遊びにきてくださいね!
活動内容
①オーガニック野菜の販売
「まんまとちぎ」では、栃木県内の有機農家さん、自然栽培の農家さんのお野菜を販売しています。
今でこそオーガニック野菜を販売できていますが、お店を始めた時は大変でした。
八百屋の経験も無ければ、ノウハウも無く、農家さんとのつながりも無い。
さくら市内の有機農家さんもなかなか見つからなくて。
知人が那珂川町の有機農業グループを紹介してくれたことをきっかけに、野菜の仕入れができるようになって、嬉しいことに農家さんとのつながりが徐々にでき始めました。
農家さんからすると、私たちは大口の顧客では無いんですよ。
それでも、私たちの活動を応援してくれているので、本当にありがたいです。
②地域マーケット
「まんまとちぎ」には、地域の方々の作品なども置いています。
近所のお友達のおじいちゃんに趣味で作っている陶器を見せてもらったら、驚くほど出来が良かったんです。「もっと多くの人に見てもらえる場を提供したい」と思って、地域マーケットを始めました。
色んな人に見てもらったことをきっかけに、「私も置きたい!」とか、作品の良さを知った人が「制作者に会いたい!」とか、色んな声を聞くようになりました。
ハンドメイドの赤ちゃん用品を通じて、移住したばかりで知り合いが少なかったママさんに、新しい出会いができたこともありましたね。
そんな地域の発信基地のような役割をもたせたくて、地域マーケットを展開しています。
③まんま会
まんまとちぎのお野菜を美味しく料理して、みんなで一緒にご飯を食べる「まんま会」を不定期で開催しています。これまで、色んな嬉しい反響があったんです。
農家さんってすごく忙しいんですけど、消費者の顔を見てほしくて招待したことがあって、自分たちの野菜が「こんなふうな料理になるんだね!」と喜んでくれました。
またある時は、小さい子どもと一緒に来ていたママさんが涙を流すこともありました。
「こんなにゆっくりと落ち着いてご飯を食べれたのは久しぶりだ」って。
毎日、お風呂に入れて寝かしつけるのって、憂鬱になるくらい忙しいんですよね。
食事に集中できること、ご飯を誰かが作ってくれることがすごく嬉しかったみたい。
喜んでくれる人がいると私も嬉しいし、やりがいになります!
活動への想い
①団体立ち上げの経緯
仕事で帰りが遅く、コンビニ弁当を食べるような生活をしていた時期がありました。
そんな様子を見かねて、知り合いのおばあちゃんがご飯をごちそうしてくれたんです。
その時に「誰かが作ってくれるご飯」がすごく嬉しくて、何か恩返しをしたいとずっと思っていました。
おばあちゃんは一人暮らしを悠々自適に楽しんでいたけれど、食事は唯一の憂鬱な時間。そこに私がやってきて、自分の作ったご飯を美味しそうに食べている姿にやりがいを感じてくれたみたいでした。
その時に「どっちが助けられているのかな」って疑問に思ったんです。
自分が「困っていること」や「弱みだと思っていること」をさらけ出すことによって、誰かの役割を生むんだなってことに気づいたんです。
人と人が関わったり、つながったりすることで、強みを活かして弱みを補完し合える関係が生まれる。そういうことができるNPOを作りたいと思った出来事でした。
②ポン・テが目指していること
自分のためにやっていることが、いつの間にか皆のためになっている。その循環によって地域課題が解決されていくと思うんです。
ヒントになったのはミツバチの行動で、私たちの食べる野菜や果物の約7割はミツバチの受粉行動によってまかなわれています。でもミツバチたちは、それぞれの役割を持って集団生活をして、自分たちのために生きていますよね。
オーガニック野菜の販売を始めたのも、この循環の考え方を伝えたかったからなんです。
美味しい野菜を求めた結果、いつの間にか地球環境が良くなっているような。
地域コミュニティでも同じように、「自分が楽しくて豊かな生活を送りたい!」が、結果的に「周りの人も豊かになって楽しくなった!」みたいな循環を目指しています。
③誰かのやりがいを作れていることが嬉しい
「まんまとちぎ」のスタート時は、プレハブ小屋のような場所で活動していました。水場やトイレもなく、夏は熱く、冬は寒い。そして狭い場所でした。皆さんにとって居心地のいい場所を提供したくて、思い切って移転を決めたんです。
移転準備をしていたら、いつも利用してくれている方々が、自主的に草刈りや引越しの手伝いをしてくれたり、いつの間にか小さな階段や花壇を作ってくれたりして驚きました。
いつもお店に来てくれる人たちが、「まんまとちぎ」は自分たちの居場所だと思ってくれているんですよね。私だけじゃなくて、お客さんも「あの人どうしたのかなぁ」と気にかけてくれているから、居心地もいいのかな。
お店が受け皿としてあるから、地域のちょっとしたニーズに対して、誰かと誰かを繋ぐことによって対応できる。誰かのやりがい、生きがいを作れていることが嬉しいです。
コロナによる影響と活動
小売業なので、それほど影響は受けませんでした。
生産者の顔が分かるお野菜を求めて「まんまとちぎ」に来てくれる人もいて、つながりを大事にする人が増えていることを感じています。健康に気を遣って、お野菜を買いにきてくれる人もいました。
「まんまとちぎ」に来てくれた人たちが、たまたま出会って、溜まったフラストレーションや人に会いたい気持ちを爆発させる場所になっていたかもしれないです(笑)
お店の換気や消毒など、ありきたりな対策かもしれないけど、今は地道にそういうことを積み上げていかなくちゃいけないと思っています。
今後の展望
「まんまとちぎ」にカフェスぺースを作りたいです。これまで自宅でやってきた「まんま会」の開催や、お惣菜やご飯を食べれる場所としても活用していきたい。
畑に行って、子どもたちに自分達の食べ物について学んでもらう体験学習もいいなぁ。
収穫したものを調味料にするワークショップも考えたりしています。食べ物に想いを馳せる良い機会になるんじゃないかな。
他にも、人手が足りてない農家さんの援農ができたらいい。ポン・テが消費者さんと農家さんの間に入って、繋げるハブになりたいなと思っています。豊かな食と温かい人とのつながりは関係が深いと思うので。
「栃木で挑戦しようとしている人に一言、お願いします!」
『栃木って夢を叶えられる場所だと思います。迷っているなら挑戦すべき。
とびこめば案外なんとかなるし、助けてくれる懐が深い地域です!』
参加・寄付の情報
グリーンツーリズムや、収穫体験(援農)、自分たちで収穫した野菜で調味料づくりをするなど、参加型のイベントを企画予定です。
SNSで情報発信していますので、見ていただけると嬉しいです!
また、お野菜を皆さんに安く提供できるのは、主旨にご賛同くださる会員さんやご寄付のおかげです。是非ご支援お願いします。
ご支援の際は、「まんまとちぎ」に寄っていただいた時にお声がけください。
または、mammatochigi@gmail.com 宛にメールをお願いします。
団体の基本情報
団体名 | NPO法人ポン・テ |
活動ジャンル・テーマ | 地域コミュニティの活性化・循環する社会 |
活動エリア | さくら市喜連川(フィオーレ地区) |
設立年 | 2017年 |
スタッフの数 | 10人程 |
住所 | <まんまとちぎ> 栃木県さくら市フィオーレ喜連川3丁目15−1 |
https://www.facebook.com/manmatochigi | |
https://www.instagram.com/manmatochigi/ |
編集部コメント
実はこの間、リニューアルオープンした「まんまとちぎ」に遊びに行きました。
梅雨明けの夏本番の時期だったのですが、店内は風通しが良く、涼しかったですよ~。
近所のおじいちゃんや、ママさんと世間話をしながら、ついつい長居してしまいました(笑)
帰り際に空芯菜を買ったら、お土産に「しし唐」をいただきました(やった!)。
ベーコンと一緒に炒めて食べたら、これがまた美味しくて。
なんだか田舎ならではの温かさを感じられる場所だなぁと思いました。
ちあ吉さん(大河原さん)の誰でも受け入れてくれる懐の広さも、子育てママさんや、一人暮らしの高齢者の人が「訪れやすい環境」を作っているのではないでしょうか。
人と人が交流することで強みを活かし、弱みが補完されて、地域課題を解決していく。
ポン・テさんの活動をこれからも応援していきたいと思います!
\SNSで記事をシェア/
この記事を書いた人
藤本尚彦
リサーチ・ライティング担当
県南エリア在住
関連記事
Related
この記事を読まれている方には
こちらもおすすめ!