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2017-7-17

池上知恵子(ココ・ファーム・ワイナリー専務)|tochigi gene vol 3



 

4、父から引き継いだもの

 

◆お父様から「何」を引き継がれたと考えますか?

 

ワインづくりに最低限必要なものは、バケツ(容器)と葡萄。日本ではこれに果実酒製造免許が必要になります。水も砂糖も酵母もいらない。全部、葡萄に含まれています。ワインづくりのほとんどは葡萄畑で行われます。

 

ココ・ファーム・ワイナリーのワインづくりの特徴

 

1、適地適品種による葡萄栽培:それぞれの土地で無理をしないでも元気に育つ葡萄品種をそだてること。

2、野性酵母によるワインづくり:元気な葡萄の果皮についている野性酵母(天然の自生酵母)による醗酵が中心です。

3、葡萄がなりたいワインになれるように:自然の持ち味を存分に生かすために、自然に寄り添ってワインを造ります。

 

ワインづくりは、自然や科学、芸術や文化、社会や哲学など、いろいろな分野と関係がある。特に自然との関係は濃厚で、たとえば、葡萄畑では植物の葉緑素が、太陽の光によって、二酸化炭素をグルコース(ブドウ糖)と酸素に変えます<光合成>。このブドウ糖を目に見えない微生物である酵母が、アルコール(ワイン)と二酸化炭素(CO2)にかえます<醗酵>

 

ワイン 樽 

 

ワイン造りに人間はほんの一部分

 

植物がブドウ糖を造り、そのブドウ糖を微生物がワインに変えていきます。私たち人間が「ワインをつくっている」なんていいますけれど、葉っぱという命や酵母という命があって、はじめてワインができる・・・。

 

さらに、飲む人や買ってくれる人がいなかったら、次のワインは造れない。土壌を耕す微生物の命、土壌に根を張り太陽を受けた植物の命、そして飲む人の命・・・いろいろな命のおかげで、私たちは仕事をし、暮らしていくことができる。ありがたいことです。

ワイン ココファームワイナリー こころみ学園

父、川田昇がよく言っていました。「消えてなくなるものに、渾身の力を注げ」と。

 

田舎でこころみ学園の園生たちと、葡萄を作りワインを造っていますと、人間の非力さをつくづく感じます。同時に、非力な人間だからこそ、一生懸命やりたいと思うのです。

 

人もやがて消えてなくなるけれど、その日まで渾身の力を注げたら・・・。ワインづくりは10年20年ではなく200年300年の仕事です。その時代その時代を生きる人たちが順番に力を出しあっていけたらいいなと思います。

 

→普段はなかなか意識しない様な事柄に対しても、ワイン造りを通じて着目する機会がある。

そして、そこには様々な命がかかわっており、それぞれにしっかりと感謝されていらっしゃるのですね。

 

◆「消えてなくなるものに、渾身の力を注げ」こちらはどの様に解釈されていますか?

 

ワインも飲んだら無くなります。人もいつか必ず死にます。消えてなくなる人生を一所懸命に「生きること」なのかもしれません。「消えてなくなるもの」が何かは、皆さんがそれぞれ想像してみてください。


「5、未来のしゅし」 へ つづく

 




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石川智章

この記事を書いた人

石川 智章

「栃木のしゅし」総合統括
県南エリア出身

ライフデザイン、WEBマーケティングの分野で実績を出し、都内ベンチャー企業の経営を歴任。親の闘病を機に栃木と東京の2拠点生活を開始。

栃木の魅力を「住む視点」と「観光する視点」から再発掘。人がイキイキする仕組みを考えます!

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